第76回朝陽書道会展

 

森川 星葉

「あひがたき…(日扇聖人御歌)」

 朝陽書道会の第76回展。本展には以前から聖鶴師の華麗な巻子作品の特陳が恒例となっていたが、それを見習って幹部が巻子を展示する流れが定着して良い機会を共有している。今回も幹部が「古今和歌集抄」「山家集抄」等に挑戦されていた。また、毎年実施している「新鋭作家」展示も継続、ただ、殆どが小品なので各人の表現意図の解放が求められよう。
 高木聖鶴師の敬仰作品は「比庵の歌」。清爽感ある書線が潤渇の気脈に乗って流れる。森川星葉会長は「日扇聖人御歌」を単字と連綿を組み合せながら、渇筆を効かせてポイントを魅せる。桜の名歌二首を書して「歌興風花麗」を題字をしたセンスは伊之口鳳洲副会長。森上光月理事長「春雪」は古今和歌集からの三首。二首目を島として浮かべればより面白いか。藤川翠香事務局長「人はいさ」は古今集貫之の歌。黄の料紙にゆったりとした濃墨が映える。正田幸子理事長代行一首目も古今集凡河内躬恒の歌。大らかに二首を繋ぐ。ふたつの黄の横紙を巧みに配した山本雅月も古今集、小野篁の歌から始まる力作。副理事長3名(長谷川啓子作品は映り込み反射あり掲載困難)と顧問、常任総務の注目作を若干紹介させて頂いた。 (松)