令和七年度東方展

 

兼子 智葉

「春行く径」

 桜花のいのちは短くて、三日見ぬ間にわずかの風にもいっせいに散り始める。縁石に吹き寄せられた散花を、何度も小さな両掌に掬っては空に舞い戻して、行く春を惜しんだものだ。散り積もった花に寄せた心情。(中)