第74回新興展

新興美術院賞

飛澤 龍神

「桜四題から「希望 �磨v
・「感謝 �浴v」

 

 74回展も残念ながら少し出品数減となったが、その中の注目作を挙げる。
 飛澤龍神代表理事は、六曲屏風の満開の古木桜を横切る一団(園児と小学生)の行進を描き、来る明日への希望を託す。あと、桜の下で遊ぶ子供の姿を描いた「希望」「感謝」「幸福」「夢」の桜4題の発想が新鮮だった。
 藤咲億桜はウエディングドレスの花嫁の初々しさを繊細にそして大胆に捉えた「ブーケ」と、九州・宗像大社の三女神を描いた。何れも海神であり皮膚の鱗観が鮮烈。
 安食孫四郎「新雪」は昨年の繊細な筆致をつないだ作品で、凛とした空気感がある。白石繁馬「白樺湖に映る」は湖の中洲の白樺にフォーカスした。暗い遠景の林、スポット的な日差しを受けた景を巧く切り取った。吉久保絢子の夜空の星座も夢ある作品。外国の冬空に壮大なロマン。岩田令子の白昼夢的な一瞬、リンゴの実の防護袋が光を通して輝く「光降る」。
 木内英文の画風が変った。的確なスケッチからおこしてじっくり描いた。川岸のえさ場でじっと佇む白鷺と気持ちを重ねる戸崎靖子。出航前の準備だろうか、それともノ、白い漁船の点景人物も生きた存在感は松原秀。橋本光博「水面のアート」は湖面の反映のみを絶妙な色彩で描いた。180度逆さにしても絵画として成立し面白い。神楽〈鐘馗〉のコケティッシュな動きは山根久明。猫の集まる林の一角、物語始まる今本由美。奇岩のある海岸を描いた長尾としお、波の繰り返し力で削られた岩肌が歴を刻む。(松)