第35回記念現創展

 

荒木 典子

「民」

 乳呑み子を抱えた女が立膝をして祈っている。海辺の断崖であろうか。鳥が舞い、高々と波飛沫があがっている。女は月光に影絵となり、飛沫は白々として来光のようだ。民は神の対語か、厳かな気が満ちる。