―近江十題―展
中路融人展
<日本画>
「夕照の木立」 六曲一隻
日展常務理事、晨鳥社会長の中路融人氏の東京から関西を縦断する大個展。
「近江十題」と銘打っての個展だが、ライフワークとして描き続けている琵琶湖を中心とする近江の風景を大作で表現しており、50年に及ぶ同地の作品の集大成といえるものになった。
中でも「海津の桜と竹生島」の満開の桜と、シーンの静まりかえった「薄暮の比良」、上掲の湖北の夕景を描いた「夕照の木立」の六曲一隻三部作は圧巻。他、山の存在感ある「冬の伊吹」、澄明な気韻の「朝霧の川」、手前に大きくすすきを配し、薄い笠雲かかる月あかりに浮かぶ湖と山の「余呉の月」も興味ある一点であった。
筆者も東京と大阪で拝見したが、会場が変わるとこれほどイメージが変わるのかと思う一点があった。上掲作である。照明の差によるものだが、大阪会場の入り口で、しばし立ち止まったまま、正に夕景を見ている気分であった。
