黒の幻想
高頭信子日本画展


● 4月27日〜5月3日

● 日本橋三越本店 本館6F 美術サロン展

 

 高頭が黒を明確に意識しはじめたのは、いつ頃のことであろうか。
 花火をよくモティフにしているから、夜が舞台であり、夜空や湖面には当然黒が使われている。がそうした意味合いからでなく、夜とか闇とかに拘わらず、黒そのものへの積極的な意志を示したのは、昨年の東方展に出品した『山水』(30号)あたりではなかったか。そして、魔の色・黒に魅せられ、玄にはまっていくことになる。
 �T黒色ほど強い色はない�U�T黒色ほど華やかな色はない�Uと高頭は認識する。『山水』では黒と朱赤が拮抗しせめぎ合いながら両者の魅力が最大限に近く引き出された傑作であり、玄のもつ幻想感も漂わせていた。
 今展の『花火は銀河になって』(50号)をはじめ、『火の鳥の花火』(20号)、『赤い花火』(4号)、『燃える太陽と波』(8号)などいずれも黒の魅力を存分に発揮していた。表現としての強さは前に出てくるだけでなく、奥行きの深さに支えられる深遠な幽玄さにもあろう。高頭は更なる境地を拓こうとしている。  (中)

 

花火は銀河になって (50号)