高頭 信子 日本画展

●4月30日〜5月6日
● 日本橋三越本館6階 美術サロン

 

 東方美術協会・高頭信子さんの三越での恒例個展。10数年前からの銀座三越の年末展に始まって、新宿店、本店等ずっと拝見させて頂いてきているが、牡丹、花火、宇宙と表現の視野を広げて心象的な世界を築き上げつつある。今回は「赤の幻想」と銘打って、近年進化を遂げている花火の幻想世界を中心に20数点の作品が並んだが、新展開の1点に注目した。
 「海の洞窟」と題された作品だが、まるで大地の中で誕生を待つ胎児のように思われた。「子供の頃、江ノ島の真っ暗な洞窟に連れられて入った時の記憶」をイメージした作品だとお聞きしたが、深閑とした得体の知れない闇に取り巻かれた不安感が、混沌とした世界に生まれいづる感覚と同期したのかもしれない。
 そして、高頭さんの持つメルヘンの世界から「赤い鳥の夢」を挙げる。大樹に住まいする不死鳥のような赤い鳥、見つめるのは中空に浮かぶ月である。緑青と赤の対比が美しい。
 また、大樹を女性に擬人化した冬の太陽と風の物語的作品も興味をひいた。(松)

 

 

 

 

 

海野洞窟 8P

赤い鳥の夢  0号