宙の遊び

高頭信子日本画展

 

■平成21年11月4日〜10日
■日本橋三越本店本館6階美術サロン

 川端龍子の晩年に師事し、青龍社での制作活動を経て師の没後は東方美術協会を発表の場として活躍している高頭信子さんの個展。銀座三越でのミニ展の連続開催(24年)は他に例をみないが、銀座店のギャラリー閉館後も新宿三越を中心に個展を開催、日本橋本店での個展も3年ぶりとなる。ここ10年来続いている花火シリーズも佳境を迎え、森羅万象を彷彿とさせる宇宙観に思念が向かっている。
 新作20余点より、「金魚花火光跡」は、漆黒の宙から放たれた金色の閃光が緑青色の光彩を絡ませながら空と地の狭間を覆い、拡散しながら渦巻く。そこに朱に染まる落日を思わせる金魚花火の残光が満天の星空を遊泳する。小品だが、その空間は無限大に広がりを持つ。思い入れある作品である。「大夕焼」は、焔(ほむら)のように暗褐色の大地を絡め染めていく深紅の夕陽の波、炎中に身を投じ、再生する不死鳥を思わせる天馬を孕む日没は、延々と繰り返す日の出の為の赤い連鎖なのだろうか。滔々と萌え続ける命の輝きが深紅の画面に溢れている。(松)


大夕焼

金魚花火光跡