第42回白士会展より
加 藤 正 音
「 (ひかる)」
「 」は、ひかると読み、光り輝くの意。この字から「栄」が借用されているから、字義に「ひかり」「光明」が含まれている。まさに、赤々と黄山(と思われる)が燃え熾っている。 この作品をみて、二〇〇三年の「黄山天都峰正歌」を思い出す。ほぼ似た構図だが、前作は静かだが、こちらは熾んである。白日が峰にかかる薄雲をピンクに染め、峰々は赤にオレンジに黄に燃えている。激しいエネルギーが高ぶる熱情を現しているようだ。顔料の粒子がキラめいて何とも美しい。 加藤さんはこうした風景や歴史上の人物をよくモティフにされるが、いずれも己が心情を明快に対象をかりて現している。根底には詩人的感性とロマンチストの心情を蔵しており、絵はどう描くかではなく、自分がいかに生きるかにあることを心している。激しくも静謐な強さを感じる。 (中)