(公社)日本南画院理事長
潮見冲天 作品展
―墨の詩―

 (公・社)日本南画院理事長の潮見冲天作品展が、そごう神戸店の企画展として開催され、50号2点を中心に中、小作品約30数点が並んだ。
 その中、注目した1点「白秋の森」を挙げる。
 手前の影部の木立は落葉樹で、すっかり葉を落とし、秋の深さを想像させる。その前に広がる森に、厚い雲の隙間から一瞬放たれた強烈な陽光、その光の帯に揺らめくように輝く樹々。幻想的な光景である。恐らく長い制作取材の中で、これまで見た瞬間の景が増幅されて大胆に描かれたのであろう。水墨、特に南画の世界は単なる写生ではない。心の内に想起する思いを絵として具現するもので、萬色を墨の濃淡を主体にして描き上げる。本作は正にそうした1点といえる。他に、「湧雲」「残照」幽玄な渓谷を描いた「春とうからじ」等。
 
 1941年愛媛県生まれ。西田王堂に師事。1997年、日本南画院文部大臣賞。2011
年理事長に。(松)

 

 

白秋の森  50号