横前 裕子 展
― 私の女人源氏 ―
■2月17日〜22日
■O美術館
東京・品川
2008年の『源氏物語』千年紀に、横前さんは画集『私の女人源氏』を刊行、その記念の小品展を翌年、銀座の画廊で開催した。その記憶も新しいうちに、その後の近・新作を含めて大会場で大作中心の今回の個展となった。
この会場は五つの展示室が独立しながら連続する構成となっており、その特性を生かして、第1展示室に「六条御息所」第2室に「空蝉と玉鬘」、以下「朧月夜」「女三の宮」、そして第5室に「浮舟」とそれぞれのテーマを各室に配した。そのことによって、魅惑的な美しさだけでなく幾つものドラマを展開する「朧月夜」や女人の怖れや醜さなど現代に通う人の心の機微等が、一層際立ちながら横前さん独自の〈女人源氏〉のイメージが鮮明にレリーフされていた。
一貫して幾何的抽象で表現された世界は、掲出の新作からも感じられるように、華やかさと無情感を表裏としながら凛とした風情を漂わせている。それは根底にしなやかにして勁い美意識が横溢しているからである。(中野)
