― 気・象 ― 文化功労者
鈴木竹柏展
■4月22日〜28日
■高島屋東京店6階美術画廊
(後、大阪・京都・名古屋・
横浜・米子の各高島屋巡回)
「茜 12P」
文化功労者、日本芸術院会員鈴木竹柏氏の卒寿を迎えての作品展が高島屋美術部創設100年記念の一環として開催され、東京本店を皮切りに全国6ヶ所の高島屋で巡回展示されている。
日展出品作の2005年「春晨」、2006年「雲湧く」を中心として近作、新作で全30点の展観であるが、「気・象」と副題が添えられている。大和絵や琳派研究に加え、写実を重視し、澄明な色彩を活かした画風でしられた中村岳陵に師事し、風景描写で自風を指向してきた竹柏氏であるが、芸術院賞受賞の作品「気」(S62年)以降、自然の持つ気韻を画面に滲ませる深韻性ある作品となってきた。夕景、早朝、霧など神霊が感じられる景を朦朧体表現で描き、自らの気と風景の気韻を同調させている。描き上げた風景はもはや単なる景ではなく、自身の心を通して再結実した「象」へと変化するのである。
紹介の「茜」は12号の中作品だが、夕景の光が湿った空気を振幅させて見るものの心にしみてくる。どこどこの風景という固有地はもはや関係なく、どこか懐かしい心の故郷として万人の共感を誘うだろう。 (松)
