-太陽・月を描く-
杉谷彩光 日本画展
■10月22日〜27日 ■美術家連盟画廊
大和万葉の世界を墨彩の世界で再現させた異才、岡橋萬帆に師事し、師亡き後も、古都奈良に触発された画域を広げている
杉谷彩光さんの久々
の銀座展。今回は太陽と月にテーマを得て100号から0号までの作品が並んだ。しかしそのモチーフの展開は多様だ。
「三輪山日輪」にみる柔和な印象の深いモチーフから、「嶽(臥龍)」の屹立した山岳の荘厳な作品がそれぞれの「太陽と月」を表出している。室町時代の障壁屏風絵に「日月山水図」があるが、彩光さんの作品は室町の装飾的に単純化されたそれとは違い、深く心の奥底にある生きた人間の郷愁や思念を描いたものと言えよう。形式や様式にこだわることなく、心の深遠に留まるもの、そして去来するものを多様かつ多彩に描き切るのは、彩光さんの持つ自然の情景や人間の命、人生を達観する鋭敏な感性ではないだろうか。全26点の充実の展観。 (松)
