角田玉手墨彩画展

 

角田 玉手

■平成21年11月3日〜8日
■ダイヤモンドギャラリー
     (神戸 北野坂)

 日本南画院同人の角田玉手さんの地元神戸での個展。今回は40年の集大成として近作を中心とした陳列となった。
 最近は埴輪をモティーフとした「幻夢」シリーズで画域を深めてきているが、日本南画院秋季展(2008年)の出品作「甍の町(竹原)」は整然と建ち並ぶ旧家の甍を丹念に描きながら、画面左上から差し込む光を、甍や路地に、画面手前にせり上がる石段に染み込ませ、内側から靄のように滲み出させ不可視の光芒に包まれた世界を可視化した作品で、6年前のインパクトある葛橋「落人の吊橋」とはコンセプトを異にした風景画で一石を投じた。大阪美術協会展会員賞受賞作「春宵(盛岡石割り桜)」(2007年)は岩を割く強靱な老幹。その枝々は幾万の精気溢れる桜華を開花させている。望月に朧々と照らされた華たちは一斉に孵化し天空に舞い上がる蝶の群れを想わせる。幽玄の世界に詩情を織込んだ。渓流の水墨画や現代南画協会展で協会賞を受賞した「雨の二月堂」(2008年)にみるデッサン力の確かさと上記の抒情感が今後の「幻夢」シリーズをより進化させていくことであろう。    (松)

 

 

甍の町(竹原)
日本南画院秋季展出品

春宵(盛岡石割桜)
大阪美術協会展 会員賞