―天と人びとへ―
藍と愛展

 

飴村 秀子

 

■9月18日〜26日
■旧日本銀行広島支店


 日展参与、日本現代工芸評議員の藍染色家・飴村秀子さんの、旧日本銀行広島支店での個展。展示全フロアを使用しての壁面作品24点、立体作品20点、写真紹介20点は自薦回顧展といえる荘厳な展覧となった。
 当初、この会場での作品展開催依頼を受けた時は辞退しようという気持ちであったが、打ち合わせで会場の正面に立った瞬間にフラッシュバックのような衝撃記憶が蘇ったという。原爆投下の二日後、実家の安否を思い広島駅に降り立った。一面の焼け野原に、奇跡的にぽつんと残ったふたつの建物、原爆ドームと四角い西洋建築、それが日本銀行広島支店であった。焼け跡に水を求めて彷徨うケロイドに爛れた肌の人々、世に愛の溢れんことを願って制作してきた飴村さんの心は震えた。この場所で是非個展を開きたいと。原爆の悲惨さを訴えるメッセージとして今展の為に生まれた作品が、周南市の美術館で藍作品(高きに昇れ)の雨曝し実験展示の布を人型の鉄芯にアレンジした「希い(ねがい)」である。そうした悲しい歴史を持つ会場を、何故かジャパンブルーの正藍染が鎮魂の優しさで包む。その中、6m×4mの美しい「ステラマリス藍の滝」、ハイテクセンサーを組み込んで美しい光彩で藍が変化する「献燈」、そして聖母に捧げる「献花」を紹介させていただいた。(松)

 

 

 

会場風景         
(中央は、ステラマリス藍の滝)

 

 

 

 

作品(希い 2010)と飴村氏 
材質 : 鉄骨・古布 120×100cm 藍と愛展

献花(詩篇37-24) 1999  
  材質:日本製天竺木綿  130×170cm 第31回日展

献燈 �T 2001
材質 : 籐・麻・センサーライト 山口県日展会展