十五代 樂 吉左衞門
展
「フランスでの作陶」
―LOUBIGNAC の丘の上で―
●12月26日〜1月8日
● 日本橋三越本店本館6階
樂焼は桃山時代、茶の湯の大成者・千利休の理想とする茶碗を初代長次郎が形にしたことにはじまり、樂家は三千家(表千家・裏千家・武者小路千家)好みの茶道具の製作を担う千家十職の中の茶碗師を家業として樂吉左衞門を代々襲名、400年余りの伝統を営々と守り続けてこられた名門である。2013年現在、15代(1949年〜、1980年に襲名)が当主である。
樂茶碗といえば黒釉、赤釉が一般的だが、当初の斬新で独創的な造形は「今焼」と呼ばれていたという。その造形と釉薬調合を代々継承してきた訳だが、15代は伝統継承を自ら打ち破るような造形に挑戦、まさに平成の「今焼」を目指した現代美の楽焼きに挑み続けている。東京藝大彫刻科卒という現代彫刻のセンスが生みだした鋭利な切り口の茶碗、花入れに新鮮な驚きを感じたし、事実国内外で大きな評価を受けてきた。が、近年の茶碗は飲むという行為を改めて吟味した作品へと変化してきた。今回フランスでの4年に亘る作陶に、自然と陶芸と人間の調和が滲んできているように思える。特に花入れに自然の痕跡が窺えた。(松)
