今月の課題 「ひと際暑い夏」 編集主幹 松原 清
関西・近畿・中国地区では6月27日に梅雨明けが宣言され、観測史上初めての6月梅雨明けとなった。因みに梅雨入りは6月9日と例年より3〜4日遅く、梅雨期間は20日間にもおよばず夏の水不足も心配だが、関東、北陸、東北は7月23日頃の梅雨明けとなっており、地域差が感じられる現象が現れている。昨年も報じられていたが、チベット高気圧と太平洋高気圧が同一線状に九州中部・四国・近畿に重なることが原因で、異常な高気温を誘因するようだ。神戸も連日真夏日が続いている。屋久島と奄美の間に位置するトカラ列島で震度5弱の大きめの地震が頻発しているのも気にかかる。続く大地震への前ぶれというSNS情報、予知・予告情報も都市伝説のように拡散している。
こうした異常は世界規模で発生している。例えば中国は全域にわたり気象の異常化が進み直近の7月2日、山東省で巨大竜巻が発生。今年に入ってからもしばしば巨大竜巻、洪水、鉄砲水、季節はずれの雪・飄被害に襲われている。特に揚子江上流の重慶あたりの洪水被害は大きく甚大な作物収穫減少に直結しそうだ。インド、トルコも大洪水被害を受けたと聞く。ヨーロッパも例外でなく熱波到来で、スペイン・エルグラードで46度を記録。フランスでは南西部で異常気象、飄と大雨に線路が流されTGVが停止、パリでも同様の洪水で地下鉄閉鎖。逆に熱波で原発稼働停止もあったとか。オーストラリア大水害、アメリカ・ロスの山火事と水害、テキサスの洪水も。
人々が熱くなるもう一つはアメリカ・トランプ関税の波紋。恐るべきスピードで世界経済が変革されようとしている。25%の関税でも仰天ものだが、50%を越える関税は正に圧力交渉以外なにものでもない。また、輸出相手への関税は一方通行でなく、かけた方にも輸入品価格上昇のリスクがある。GM、フォード、ステランティスの自動車ビック3は、部品の多くを国内とカナダで作り、メキシコで多くを組み立て、アメリカで検査販売する方式を採ってきた。その部品等が行き来するだけで必要経費が跳ね上がる。海外のメーカーは即反応、アメリカから撤退する企業が続出し、日本もトヨタ以外は撤退の方向のようだ。アメリカの失業者は自動車産業だけでも甚大。あらゆる製品が対象になれば恐るべきブーメランとなるだろう。今、アメリカを除く枠組みが(BRICSでない、日本、メキシコ、カナダや日本、欧州、カナダで新規格化)静かに進行しているようだ。まさに経済 世界大戦が勃発しようとしている。
日本は今、参院選のど真ん中。世界の状況を正確に捉えて、日本を導く人材がいるかが問題だ。政治で文化政策を論じる政党はほぼ皆無である。
全日本美術『今月の課題』の
1996~2005年を単行本に
全日本美術編集主幹 松原清 著
A5版 272頁 定価2000円