今月の課題 「激動の10月、11月」 編集主幹 松原 清
10月中頃からやっと朝夕が過ごし易くなったが、11月に台風の影響を受けるなど平均気温の上昇は記録的で超大型台風の恐怖さえ身近に感じるほどである。もう、日展が開幕して一週間経つが、流石に半袖では寒くなったが、40年ほど前の日展初日は冬服にコートであったことを思うとその差は歴然だろう。
気候もそうだが、私達の生活と生きる方向性が決まるイベントがふたつ脚光をあび、その行く末に注目が集まっている。ひとつは、日本の首相退陣にかかる自民党総裁選挙と、その後急に実施された衆議院選挙である。結果は周知のとおり、総裁一次選で圧倒的得票で首位をとった高市早苗さん、2位の石破茂氏との決戦投票で、岸田前総理、菅、二階が連合して高市おろしで石破に投票指示したため、驚きの逆転劇で石破茂総裁が生まれた。生まれた内閣の面々に失望感が漂ったのは私だけであるまい。総理として予算審議を充分お聞きして解散で信を問う、野党党首との個別会談の開催、政治資金規正法改正などの発言を見事に翻して、ぼろが出ないうちに解散総選挙に打って出たのである。それも政治資金不記載者の多い安倍派をターゲットにして不公認として、自ら裏金議員の問題を公にしためちゃくちゃな選挙となった。それらはブーメランとなって自民党に向かい、自公で215席、過半数を大きく割る結果となった。石破総理と森山幹事長はその責任を一切取ろうとせず、政権の椅子にすがりついている。さてさて、こうなった原因が石破総裁を無理矢理とおした前岸田政権の無責任な行動に起因していると言ってよい。増税眼鏡の次は居座り眼鏡、野党第一党の立民も政権交代には届かず、国民民主の4倍増の躍進が注目されている。
あまりに惨めな日本の政情の中、アメリカでは大統領選挙が実施され、すべての激戦州を制したトランプ氏が大統領に返り咲いた。実に132年振りとなる快挙だが、勝利確定の270人を大きく上回る300人以上の州代議員を確保しての圧勝となる予想。
もし安倍首相が健在なら、日米の厳しい関係も何とかクリアできると思われるが、選挙に破れていつ倒閣されるかわからぬ石破首相では到底無理であろう。会ってもくれないかもしれない。トランプ氏は内政、外交ともバイデン政権からの政策転換をはかる。不法移民対策として「国境の壁」の建設を本格的に再開し、国外追放も進めるだろう。自国の石油や天然ガスの増産を促す政策を推進。台湾・尖閣問題も絡んでくる。関税問題、アメリカ軍の活動費の増額、安保発動の条件まで持ち出されるかも。ロシアのウクライナ侵攻問題、イスラエル問題と案件は山積みだ。さて日本は!!
全日本美術『今月の課題』の
1996~2005年を単行本に
全日本美術編集主幹 松原清 著
A5版 272頁 定価2000円