今月の課題 「異常気象と迷走する政局」 編集主幹 松原 清
8月22日マリアナ諸島で発生した台風10号は、当初そのまま北上して千葉沖をかすめ日本を離れ、温帯低気圧になると予想されていたが、強い太平洋高気圧に西に押されるように大陸高気圧との境界をよろよろと蛇行、歩くような速度で発達しながら九州沖に到達、瞬間風速70メートルとの報道に、特に九州および西日本の人達は少なからず恐れたのではあるまいか。鹿児島から熊本、そして国東半島を通り四国に入る頃には急速に勢力を弱めたが雨台風としての脅威に変わった。が、近畿と列島を自転車並みの速度で縦断するコース予測に新幹線をはじめとする鉄道、飛行機、船の交通が閉鎖される事態になった。また、台風と距離をおく地域にも線状降水帯が発生し、予期せぬ被害が発生した。筆者も東京取材の予定を入れていたが、あまりに遅い台風速度に2回程変更を余儀なくされた。これまでの台風とは明らかに違う。ジェット気流が北に偏っているためだ。このあと発生した台風11号は9月6日、瞬間最大風速65メートルで中国海南省、広東省に上陸、甚大な被害をひきおこしている。年々顕在化してきた揚子江上流のダム決壊の懸念、北京もふくめた異常気象に、公害問題。大国中国の悲鳴が聴こえてきそうだ。
一方、日本では政局の転換点を迎えつつある。増税眼鏡と揶揄された岸田首相の続投の可能性がようやく消え、自民党の総裁選挙が実施される。
10名程が乱立する可能性があるが、日本の国の自立と国民のアイデンティティーを守る意思を持つ政治家の就任を切に期待したいと思う。因みに候補者としてあがっているのは石破元幹事長、加藤元官房長官、上川外相、小泉元環境相、小林前経済安保相、河野デジタル相、齋藤経済産業相、高市経済安保相、野田元総務会長、林官房長官、茂木幹事長の11名が顔写真付きでメディアに上がっているが、昨年11月にいち早く立候補を表明していた青山繁春参議院議員。にもかかわらずどのメディアからもスルーされている。これも大問題だが、正式に推薦人20名を確保できるかが立候補者の今一番の悩みといえる。水面下では、決戦投票となった時の保険をかける二股推薦も動きつつある。石破氏の実績は?上川氏の対中外交のスタンスは?小泉氏のレジ袋有料化、海洋汚染効果は?河野氏のマイナンバーカード推進とデータ流出は?林氏、茂木氏は岸田首相の最側近ではないか。真剣に日本の安全保障を考えて実際に活動しているのは高市氏と青山氏くらいだろう。
筆者居住の兵庫県でも斎藤元彦知事に対する公益通報者(元県民局長)への徹底した告白者探しが発覚、その渦中での自死、百条委員会開催中。
全日本美術『今月の課題』の
1996~2005年を単行本に
全日本美術編集主幹 松原清 著
A5版 272頁 定価2000円