今月の課題 「6月の思い」 編集主幹 松原 清
早いもので6月になった。梅雨である。じとじとと降り続く雨に用事での外出は鬱陶しいが、家に居る場合は逆にゆっくりして本を読んだり、音楽を聴いたりできるので案外好きである。今年の関西の梅雨入りは5月29日であった。大型台風2号が沖縄沖から偏西風に沿って、日本列島太平洋沖を通過。進路から梅雨前線を刺激して梅雨入りが加速するかも?と思っていた通り、平年より8日早く、昨年より16日も早い入梅となった。6月2日には台風の暖かく湿った空気が流れ込んで前線に線状降水帯を発生させ太平洋側は軒並み緊急警報が出て、東海道新幹線が一日運休するという豪雨をもたらせた。続いて台風3号が同様の進路を進んでいる、更なる警戒が必要である。
最近は、梅雨の洪水被害の様相が変わりつつある。10年ほど前には梅雨明け時に台風接近で、北九州の水害が顕著であったが、台風の影響を受けて線状降水帯を間断なく発生させる状況が、熱帯から亜熱帯の海水温度の上昇で1ヶ月早く起こるようになったということだろう。
話は変わるが、6月は梅雨の時期なのにどうして「水無月」というのだろう。これは和風月名では旧暦6月を指すからで、現在の梅雨明けの7月頃を言う。たんぼに水が欲しいのに、梅雨が明けて暑さ厳しい日が続く時期で、水が涸れる心配から生まれたらしい。「水月」「水張月」とも呼ばれる。他、季節感から、夕方の涼しさを感じながら暮れていく月と言う意味で「涼暮月」、蝉が羽化する季節なので「蝉羽月」、梅雨明けの雷に因んで「鳴雷月」とも云われるとか。また、梅雨にぴったりの「花」と言えば、紫陽花があります。白、青、紫、赤と色彩も豊富で種類により夫々風情も異なる。全国に点在する「アジサイ寺」を訪れるファンも多い。因みに鎌倉の三大名所は明月院、長谷寺、成就院。関西では専念寺、三室戸寺、矢田寺が有名。筆者の近隣(加古川)では、平荘湖あじさい園があり、毎年一度(6月下旬頃)は、ゆったりと散歩する時間をとっている。他の花では、くちなしの真っ白い花、香りが凄くいい。同じく白い「泰山木」や「南天」。南天は白い花が落ちて真っ赤な実をつけるので「私の愛は増すばかり」という花言葉がついています。紫が鮮やかな「アヤメ、ショウブ、杜若」、石榴の朱色、夾竹桃のピンクや赤。6月は暗くじめっとしたイメージがありますが、花の色は実に豊富で樹木の緑も色濃く、その対比がなかなか華やかな季節なのです。食べ物では何を思い浮かべるでしょうか。私の場合は、枇杷、さくらんぼ、それからスイカも。杏もこの時期しか食べられません。
生きてる今を楽しもうではないか、「見る・知る・体験する」歓びを。
全日本美術『今月の課題』の
1996~2005年を単行本に
全日本美術編集主幹 松原清 著
A5版 272頁 定価2000円