今月の課題 「明るい新年を祈念して」 編集主幹 松原 清
いよいよ激動の2022年も残り僅かとなったが、最後の抵抗を試みているような、そんなニュースが目白押しである。まず、ロシアのウクライナ侵攻、戦争でなく特別軍事作戦と称して始まったが、いきなり首都へのミサイル攻撃で火蓋をきった。世界中の自由陣営からの大批判をうけ、ウクライナに軍事兵器をはじめとするあらゆる支援が届いたのは周知のとおりで、更にアメリカを中心とした半導体輸出禁止と金融政策の包囲網が敷かれ、ロシアは武器の調達能力を大幅に減衰させ、その継戦能力をも失いつつある。核の使用をちらつかせてはいるが、絶対的報復で殲滅すると支援側が釘をさしている。今後どのように展開するか、我々は見守るしかない。そして、中国の台湾侵攻と尖閣、沖縄防衛の喫緊の課題だ。日本はやっと重い腰を上げ防衛費GNPの2%確保へと舵をきった。いざ、防衛といっても弾が無い、ミサイルがないのが今の自衛隊の実情だ。まったく、継戦能力を持たないばかりか日頃の実射訓練も出来ない(弾が尽きる)という。政府も本気で動き出したと思ったところ、海保の予算を組み入れるとか実質的な増強を渋り、あまねくは税金の引き上げで充当すると宣い始めた。正解は国債からの出資の一択だろう。財務省は何を思っているのか、国債は借金だが、K国やポルトガル、ギリシャなどの国債とは中身が異なる。日本の国債は海外からの投資率が低く、殆どは日本人が投資しており、投げ売りされる危険はなくそれに見合うお札を印刷しても重大な問題にならない。日本は30年近く賃金が上がらず、東南アジアの賃金と同等か以下になってしまっている。国を守ることが第一で、経済はその前提で成り立つ。些末な予算は防衛問題を解決してからの話だ。これほど馬鹿げた政府の対応に開いた口が塞がらない。政治は金が動いてなんぼだが、誰の為の政治であるか、真剣に考える瀬戸際にたっているのかもしれない。憲法9条があるから大丈夫といったお花畑の平和主義ではどうにもならない。残念ながら、反撃も辞さない防衛力を持つことが平和を維持する国際常識であることを認識しなければなるまい。頭上にミサイルがふり注いでからでは遅いのだ。
最後の最後まで世界の動向を書かざるを得なかった。そんな中でも私達は自分のやるべき事を粛々とすすめて行く。そのことが生きる証だからだ。歴史の流れのなかで芸術は無力かとしばしば問われるが、経済と芸術文化は両輪であるべきというのが私の持論でもある。その両輪をコントロールするのが本来の政治家の務めである。
一年間いろいろとお世話になりました。良い年明けとありますよう。
全日本美術『今月の課題』の
1996~2005年を単行本に
全日本美術編集主幹 松原清 著
A5版 272頁 定価2000円