今月の課題 「2019年を振り返って」 編集主幹 松原 清
早いもので2019年も残すところ二ヶ月を切った。あっという間にここまで来た感があるが、国内外の世情の揺れは大きかったように思う。特に日本と韓国にまつわる話題は3年越しで、その対立は一向に改善される様子もなく、むしろ最悪のシナリオを突き進んでいるようである。数々の国際条約を一方的に破棄しながら、自国の都合の良い条約を結べと迫る。約束を守らない国に、新たな約束が出来るわけがない。日本と戦争などしていないのに、日本は戦犯国、韓国は戦勝国と自称する。植民地支配、慰安婦への度重なる謝罪要求、日韓条約で解決済みの募集工などの保証要求、自衛隊機へのレーダー照射、天皇陛下への侮辱発言の謝罪も未だない。日本のホワイト国から韓国を除外したのは、「戦略物資の不明分を明らかにしないため」という説明を繰り返してもまるでぬかに釘で、その不明分は闇のままだ。その上のGSOMIA の一方的な破棄。米からの圧力が相当厳しいが、いったい韓国はどこを向いて進んでいるのだろう。かの国の善良な市民に同情したくなる程だ。
一方、国内に目を移すと、美術では上野の森美術館(10/5〜2/3)と大阪市立美術館(2/16〜5/12)での68万人/54万人の入場者を越えるフェルメール展が挙げられる。書道では東京国立博物館で開催された「顔真卿」展(1/16〜2/24)か。『祭姪文稿』をひと目見ようと日本の書家ばかりでなく、中国からも大勢のファンが押し寄せ、約20万人の入場者を記録した。
そして、何よりの大イベントは新天皇の御即位だが、それに先立ち新元号の発表にまつわるドラマがあった。漢籍から決められてきた元号が初めて国書に移管した。いろいろな問題をかかえた現代だが、『令和』の世が穏やかな時代となるよう祈りたい。また、懸案であった消費者税が10月1日をもって8%から10%へ改訂された。諸々の物価が上がり、徐々にその影響をこの身にも感じつつある。弊紙も22年間据え置いてきた購読料を九千円から一万円に改訂させていただいた。更に、第三種郵便の審査が厳しくなり、複数発送が難しくなったので、メール便による発送に切り替えた。到着日数に多少ばらつきが出るがご容赦願いたい。
最後に、個人情報保護で、この10年次々と団体所属会員の住所録が消えていったが、徐々にではあるが、復活傾向にある。展覧会で良い作品に出会っても、住所が判らないので連絡の取りようがなかった。作品を求めたい人がいてもである。作品発表の意義は奈辺にあるのだろうか!コミニュケーションの遮断は長い意味で逼塞への道に繋がると思う。本年もいろいろとお世話になりました。
全日本美術『今月の課題』の
1996~2005年を単行本に
全日本美術編集主幹 松原清 著
A5版 272頁 定価2000円