今月の課題 「キナ臭さのなかで」 編集主幹 松原 清
ことわざを絵に描いたように、1月去ぬ、2月逃げて3月に至った。すぐに3月も去っていよいよ春がくる。時は人間の愚かな営みを無視するかのように過ぎ去るが、その中で喘ぐ人達への救いの手は空しいほど薄っぺらい。周知の如く、従軍慰安婦、徴用工裁判、FCレーダー照射で、昨年来続いている朝鮮半島をめぐる問題は一向に好転する様相をみせず、ベトナムでの米朝会談も決裂した。核の脅威は依然なくならない。かえって悪化の一途を辿っている。本当に北朝鮮に拉致された人達を日本は取り戻せるのだろうか。また、中国のウイグル自治区の100万人以上が収監された収容所での拷問、洗脳に対して、トルコ政府が中国政府にウイグル人の人権を尊重し、中国内のウイグル人収容所を閉鎖するよう声明を出した。これは昨年来、国連の人種差別撤廃委員会や国際人権団体が取り上げ、国際問題化している。
朝鮮半島の南北は現在も戦争終結となっておらず、休戦のままである。南北の首脳で終戦宣言しても実際は無効であるからだ。国連軍と北朝鮮との休戦協定であるからで、韓国独自の判断で動くことはアメリカの合同軍主導権を無視することになり、アメリカ軍の嫌韓、離脱を促し国連制裁の対象となるからだ。半島の核廃絶が国連決議として純然とあり、そのため北朝鮮に様々な制裁がかけられている。裏から支援することは明らかな違反行為である。イギリス、フランスが軍艦を日本海に派遣する決定をしたが、国連の一員として背取り行為の監視、摘発に踏み切ったということである。一方、インド洋、東シナ海の自由航行権を行使することも含まれている。何か、いよいよキナ臭い状況になってきている。困ったことに、日本においてはそうした報道が殆どされていない。TVや新聞は何故日本の置かれている本当の状況を伝えないのか。いきなり核ミサイルが飛んでくることもあり得ると思う。
またまた、アジア情勢を記してしまったが、人とはなんと愚かな動物だと思うこの頃である。
学びとは何かを考えてしまう。オウム真理経で実感したイニシエーションは世界中で行われているのだろう。正邪を越えた刷り込みで、為政者に従う妄信的な人を人為的に作り出す。この人達を説得して、真実の歴史や世界の流れを学習し直すことが本当にできるのであろうか。
先生は生徒の少なくとも3倍以上の知識がなくては務まらない。まして人格形成にまで関与する師ともなれば10倍の知識と人生の蘊蓄が必要だとか。一律の学校教育では、昔のように学人は先生を選べない。上記の資格ある先生、師といわれる人の欠乏が招く未来は!
全日本美術『今月の課題』の
1996~2005年を単行本に
全日本美術編集主幹 松原清 著
A5版 272頁 定価2000円