今月の課題 「心の癒しに展覧会へ」 編集主幹 松原 清
2019年1月もあっという間に過ぎ去った。昨年突如発生した、韓国駆逐艦の自衛隊機へのFCレーダ照射事件が尾をひいて戦後最悪の日韓関係の悪化が進んでいる。2転3転と説明を変えて反論する韓国政府の国際外交意識は奈辺にあるのだろうか、相手がアメリカ、中国ならこんな応対は絶対しないであろう。かつて米ロ冷戦時代に、こうした事故が軍隊間に発生した場合誤って核戦争に繋がらない為に協定が締結され、それが世界に広がった。もちろん日本も韓国もその協定に参加している。お互いの事実、証拠を明確にする協議を持ち、謝るべきことは謝り、事故の再発を防ぐというものだが、如何なものであろう。次々に出てくる慰安婦や徴用工の問題に、私たちも嫌が応にも考えさせられる。こんな状態で日韓友好を語れるのであろうか、政治と文化は最早別物ではないと言わざるを得ない。絵画や書の友好作品展から少しだけ隙間を空けているのは私だけではあるまい。憂鬱な時間が横たわっている。さて、美術の世界に話題を移し心を癒そう。
東京、上野の森美術館で昨年10月5日に開幕したフェルメール展が2月3日で終了、会期121日間で68万3485人の来場者を記録した。同展は、世界に35点ほどしか現存しない17世紀オランダの画家、ヨハネス・フェルメールの作品を、国内最多となる9点展示(うち2点は期間限定)を9/35と記載、その効果もあって開催前から大きな話題を集めた。また、待ち時間短縮のため国内の美術展では珍しい試みとして、あらかじめ日時を指定した入場チケットをインターネットなどで購入する「日時指定入場制」を導入したが、入場者の並ぶ列は期間中見られた。一般2700(前売2500)円という破でも17ズなどを含めると正にフェルメール様様。その巡回展が2月16日から大阪市立美術館で始まる。残念ながらフェルメール作品は6点となったが、2000年に同館で開催され約60万人を記録した5点を上回る規模。ここから日本にフェルメールブームに火がついたといえる。因みに大阪展に展示されるフェルメール作品は1、手紙を書く女 2、取り持ち女 3、恋文(大阪展のみ) 4、手紙を書く婦人と召使い 5、マルタとマリアの家のキリスト 6、リュートを調弦する女。それに、同時代の画家、ハプリエル・メツー、ピーテル・デ・ホーホ、ヘラルト・ダウ、ヤン・ステーンなどが並ぶ。入場料は一般1800(前売1600)円。高大生1500(前売1300)円。中学生以下、障害者手帳持参の方(介護者1名を含む)は無料。5月12日まで。月曜休館、但し3月19日以降は無休。
全日本美術『今月の課題』の
1996~2005年を単行本に
全日本美術編集主幹 松原清 著
A5版 272頁 定価2000円