続・足裏庵日記(30) ― 杞 憂 ― 中野 中 (美術評論家)
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東京・六本木の国立新美術館(The National Art Center Tokyo)が開館した。それが特徴の、膨らんだガラス壁による波打つ形の外面
の後方に、四角い箱のような建物が合体している。美術館として日本最大級の1万4千平方メートルの面
積をもつ展示空間である。 |
まず、公募美術展会場が上野と六本木の二つに割れる。六本木には上野から70団体などが移向するが、私の仄聞ではどうやら新しいところで、広いところで、とにかく心機一転をはかりたいといった動機がほとんどのようだ。確かにもっと広い会場を求めてという団体もある。そんな団体も含め、ほとんどの団体が、会場獲得優先順位
が広い会場希望にあったため、従来よりもより広い会場をゲットしている。そのための経費はともかく、内容の質の維持・向上が計れるかどうか。まず量
的増加のために入選水準が下がる惧れがある。一般入選すなわち底辺が低レベルで広がることで頂点も低くなる惧れなしとしないのがこうした団体にみられる傾向である。また、会員にこれまで以上の大
作が求められる。 120号だったものが300号になったとき、内容が薄 まる心配もある。
大きさに合ったモティフ、テーマということもある。両面からすべてが水増しにならないか。
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